肺炎球菌とは?
肺炎球菌とは、ストレプトコッカス・ニューモニアとも呼ばれる細菌で、主に肺炎を引き起こす原因菌の一つです。この細菌は、肺炎の他にも、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、血流感染症(敗血症)、さらには侵襲性肺炎球菌病として知られるより重篤な感染症を引き起こすことがあります。肺炎球菌は、人の鼻や喉の奥に常在することがあり、特に免疫力が低下している人や、高齢者、幼児、ある基礎疾患を持つ人々において、重症の感染症を発症しやすいとされています。
肺炎球菌に感染するとどうなるの?
肺炎球菌による感染症は、感染部位により様々な症状を引き起こします。最も一般的な疾患である肺炎では、高熱、震え、急激な呼吸困難、胸の痛み、咳(しばしば黄色や緑色の痰を伴う)が特徴的な症状です。髄膜炎の場合、重篤な頭痛、高熱、首の硬直、意識の混濁、けいれんなどが発生することがあります。中耳炎では耳の痛みや聴力の低下が見られ、副鼻腔炎では顔面の痛みや圧迫感、鼻詰まりが特徴です。敗血症に至ると、全身の炎症反応により高熱、寒気、急速な心拍、呼吸困難などが起こり、未治療の場合は生命を脅かす可能性があります。
肺炎球菌による感染症の予防には、ワクチンが有効です。乳幼児向けの小児用肺炎球菌結合ワクチン(PCV)と、高齢者や特定の健康状態を持つ成人向けの23価肺炎球菌多糖ワクチン(PPSV23)があり、これらのワクチンにより、肺炎球菌が原因の多くの感染症を予防することが可能です。
肺炎球菌ワクチン接種
肺炎球菌ワクチン接種とは、肺炎球菌によって引き起こされるさまざまな感染症を予防するためのワクチン接種です。肺炎球菌は、肺炎の他、髄膜炎、敗血症、中耳炎など、重症かつ生命を脅かす感染症を引き起こす可能性がある細菌です。この細菌は、特に高齢者、幼児、免疫系が弱っている人々において重症化しやすいとされています。肺炎球菌ワクチンは、これらの細菌による感染症の発症を大幅に減少させることができるため、広範囲にわたる保護効果を提供します。
接種するメリット
肺炎球菌ワクチン接種のメリットは、肺炎球菌が原因となる肺炎や髄膜炎、敗血症などの重症感染症を予防できることにあります。これらの感染症は、特に高齢者や幼児、または基礎疾患を持つ人々において、死亡率が高いことが知られています。ワクチン接種により、これらの感染症による入院や医療費の負担を減らし、健康を維持することが可能になります。また、肺炎球菌による感染症はコミュニティ内での拡散が可能ですが、ワクチン接種によってそのリスクを減少させることができます。
接種時期
肺炎球菌ワクチンの接種時期は、主に年齢と個人の健康状態に基づいて決定されます。乳幼児には、生後2ヶ月から始まるスケジュールで、定期的な接種が推奨されています。高齢者(通常は65歳以上)には、一般的に1回の接種が推奨され、特定のワクチンは追加のブースター接種を必要とする場合もあります。また、免疫系が弱っている人々や特定の基礎疾患を持つ人々には、年齢に関わらず追加の接種が推奨されることがあります。接種時期やワクチンの種類は、国や地域の公衆衛生政策、および個人の健康状態によって異なるため、医療提供者と相談し、個別のガイドラインに従って決定することが重要です。
費 用
肺炎球菌の予防接種は、任意の予防接種です。
当クリニックは、桶川市の予防接種の実施機関ですので、対象者の方は桶川市の助成を受けることができます。
公費接種の対象者
定期高齢者肺炎球菌予防接種(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)
定期高齢者肺炎球菌予防接種の助成を受けられるのは、桶川市にお住いの次の方が対象です。
対象者
- 満65歳の方 1回5,500円補助
(過去に肺炎球菌予防接種を受けたことがある人は対象外) - 60~64歳の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能やHIVウイルスによる免疫機能の障害により、身体障害者手帳一級をお持ちの方
持ち物
- 健康保険証など(住所、生年月日のわかるもの)
- 60~64歳の方で身体障害者手帳一級をお持ちの方は障害者手帳もお持ちください。
高齢者肺炎球菌予防接種
定期予防接種の対象になる前に、高齢者肺炎球菌予防接種を希望される方や1回目の接種から5年以上経過し再度接種を希望する方で、桶川市にお住いの次の方が対象です。
対象者
- 65歳以上の方 1回3,000円(1人2回まで)補助
(定期予防接種を受けた場合は1回助成)
持ち物
- 健康保険証など(住所、生年月日のわかるもの)